こんにちは lily です。
アマゾンプライムで、仏映画【92歳のパリジェンヌ】を見ました。
感想
ネタバレバレです。
92歳のマドレーヌが、家族がお祝いに集まってくれているお誕生日会で、「2ヶ月後、10月17日に私は逝きます。」と宣言して、家族が戸惑うところからお話が始まります。
ヴィクトリアという家事支援をしてくれるメイドさん（？）が来てくれてはいるけれど、アパートの階段を登ることも難しくなり、買い物するのも満足にできなくなり、できていることが書いてあるメモは線が引かれ、できないことばかりになっていきます。
マドレーヌは、「一人暮らしを続けていくのは無理、同居して娘に迷惑をかけたくない、病院で死にたくない」と自死を決意します。
娘も息子も、そんなマドレーヌに戸惑いますが、娘デイアーヌは、理解を示すようになります。息子は、母を身勝手だと詰り怒り、受け入れることができません。
何もできなくなって病院で過ごす生活はいや！とはっきりしているマドレーヌの気持ちも良くわかるし、生きていてほしいと思う息子の気持ちもわかります。
娘はそんな母を受け入れて最期の時を迎えるまでの切ない日々を分かち合いますが、息子は母を受け入れず仲直りしないまま、母に別れの挨拶もしないままになるのが、残念です。
「死んでからお花で飾られるよりも、生きているときにお花に囲まれたい」というマドレーヌの言葉を聞いて、本当にそうだなあ〜と、父が逝く前にもっとお花いっぱいにしてあげればよかったなあと思い返しました。
人の命は、その人を知る周りの人の中にある。自死を選ぶことは、自分一人のことではなくて、家族や友達周りの人を傷つけることになる。と、思ってきました。
でも、歳とって死が近づいたら、何もかもできなくなってしまう前に、自死を選んでも許されるのではないかと思いました。
いつか、スイスに安楽死しに行かれた方を、NHKのテレビで見ました。
この映画の中でも、スイスの話題が出ていましたが、マドレーヌは自分の家で死にたいと言っていました。そして、死ぬときに、娘が一緒にいたりすると、娘に殺人の疑いがかけられたりするといけないから、死ぬ時は一人でゆくのだと。
勇者のように感じました。
最期をどのように迎えるか、怖がらずに家族と話す機会を持てたら良いなと思います。
好きな場面
お気に入りのソファーの周りには、色とりどりのたくさんの花。娘デイアーヌとシャンパンで乾杯。
母と娘のドライブ場面。切ないはずなのに、笑顔が溢れてる。
マドレーヌが着ている衣装がどれも素敵。歳とっても、あんな風に綺麗でいたいと思う。
字幕版なので、フランス語の響きを堪能できる。
好きな俳優
マース・ビラロンガ（Marthe Villalonga）
アルジェリア生まれのフランス女優。
1932年生まれだから、映画公開時の2015年は83歳。
シワシワでも、笑顔が素敵だし、凛としてるし、圧巻は半裸の入浴シーン。
圧倒されました。
映画紹介
『92歳のパリジェンヌ』は、2015年のフランスのドラマ映画。
パスカル・プザドゥー監督の作品。
出演は、サンドリーヌ・ボネールとマース・ヴィラロンガ 他。
リオネル・ジョスパン元フランス首相の母ミレイユの尊厳死を、娘で作家のノエル・シャトレが描いた小説『最期の教え』を原案しています。
